こんにちは、宮前一明さんの支援者であり、webページやこのブログの管理等をしている者です。
最近、オウム事件の死刑囚が移送されてから、取材依頼が増えました。
取材で質問をされてはじめて「それってこうだったのか」とか「こういうことが知りたいのか」と気づくことが多いです。
そういった気づきに準じてブログに手紙などをupしたりもしておりますが、やはりマスコミの拡散力は絶大なので、取材をできるだけお受けしたいと思っております。
取材は基本的にご依頼していただいた順番にお受けしておりますが、ほぼ共通して聞かれることをこちらにまとめておきたいと思います。
1)管理人と宮前一明さんの関係
管理人は外部交通権も持っていない支援者に過ぎません。
外部交通権を持たれている方を通じて、宮前一明さんと四、五年くらいやりとりをさせていただいていて、宮前さんから、私に渡した絵や資料などはどんな風に使ってもらっても構わないことや、邪魔なら破棄してもいいことを伝えられているので、webギャラリーやブログの管理をさせていただいております。
管理人は宮前一明さんのことを友人の一人のように思っています。
2)なぜ管理人が宮前一明さんを支援しているのか
これもよく聞かれるのですが、塀の中って誰かが支援しないと生活が成り立たないので、どんな理由であれ支援者が存在するのは当たり前です。なので、特に強い理由もなく成り行きと余暇があるからくらいの理由で支援する方は多いと思います。管理人もそんな感じです。
余談ですが塀の中支援、教誨師繋がりの宗教者のボランティアさんとか多いみたいですね。そういう方達のお話もとても興味深いです。
3)管理人の死刑囚支援のスタンス
管理人は宗教もやってないし、死刑反対や政治を許さないみたいな活動などをやっているわけでもありません。本当に熱い気持ちとかがあって支援しているわけではなく、「できることをできるだけ」のスタンスでやっているだけなので、本当に管理人の話は面白くないと思います。
また、死刑囚といえど、管理人の方が病気や事故で宮前さんより早く死んでしまう可能性もあります。同じ社会に生きている人同士という意識で、支援を必要としている人へ何かできることはないかと考えている、その中のひとつの活動です。
また、管理人は仕事で対人援助やソーシャルワークを学んで実践してきたので、支援時にはそういう技術を使っています。
4)宮前一明さんの支援開始のきっかけ
もう4~5年前のことなので記憶が定かではないのですが、同時期にこの①と②の両方から宮前さんを知ったと思います。
①オウム真理教事件に興味を持ち、個人的に調べていた時に様々な視点から事件を知りたいと思い、被害者の本、裁判記録、弁護側の本、元信者の手記などを読んでいた。その中で死刑囚がまだ東京拘置所に存在していることを知り、実際に話を聞かせてもらうのは無理だと分かった。そしてせめて支援してみたいと感じた。
②広島で死刑囚の絵画展が開催されていて、小さなギャラリーと、鞆の浦の櫛野展正さんの「極限芸術」で宮前さんの作品を実際に見た。「空の山水庭」「夫婦鶴」などとあとは大道寺道子基金による死刑囚の表現展の作品などがあった。繊細な筆致に驚き、真摯に絵に取り組む姿勢に反省や悔恨の気持ちを感じた。
それから、現金と切手は外部交通権が無くても差し入れが出来ると知り、オウム死刑囚ほぼ全員に送付していたら宮前さんから外部交通者を通じてメッセージが来て、外部交通者の方を通じて近況などをうかがったり、資料や絵をいただいたりするようになりました。
5)管理人のオウム真理教事件に対する考え
オウム真理教事件の詳細を学んでいると、まじめで普通の若者が、麻原彰晃という教祖に騙され、変性意識を引き出され、マインドコントロールや洗脳を受け、人によっては犯罪行為を行わないと自分自身や家族などが殺されるという脅迫を受けて殺人や傷害といった重大な事件を起こしてしまったのだと、管理人は考えるに至りました。
なので、
・麻原以外の元弟子の死刑判決は厳しすぎるのでは?
・死刑囚は死刑執行をただ待つだけでなく、オウム真理教で起こってしまったことを語り継ぐなどとやるべきことがあるのでは?
と考え、死刑囚支援をすることや、死刑囚の考えを聞いたりしたいと考えるようになりました。
6)管理人は宮前一明さんに何を求めているのか
オウム真理教事件は社会的にとても影響のある事件であり、同じ時代を生きている管理人にとって他人事には思えません。加害者となった方には事件の反省や悔恨を深めて欲しいと常に思っています。
そのためには、公開できることは世間に公開してほしいと思っています。
なぜオウム真理教に入信して、ハマり、事件を起こしたかを当事者として語り継いで欲しいと思っています。
被害者・遺族の方たちで、宮前さんに早く死んで欲しいと思っている人も少なくないのが当たり前だと思います。しかし、社会の仕組みとして、刑罰として、宮前さんに個人的に好きな時にすぐ死んでいただくことはできません。それなら、宮前さんや他の元オウムの死刑囚の方たちにはもう二度とこのような事件が起きないようにという想いを持っていただいて、社会の発展に貢献できるようなことをしていただく方が良いのではと考えております。
7)宮前一明さんにもらった絵や資料をどうしたいか
できる限り公開して、それらに触れた人の考えを深めれるきっかけになったらいいと思っています。面会記録とかで個人名が入っていたりプライベートに関わるものはもちろん避けます。
8)なぜ宮前一明さんが絵を描き続けていると思うか
宮前一明さん手記「無明から真人へ1」
書き起こしたこちらに、絵をはじめたきっかけなどが当時の言葉が掲載されていますが、管理人からしたら宗教のことや玉龍寺のことがあり、申し訳ないのですがイマイチよくわからないなと正直思っていました。
最近考えたのは、これは飽くまで管理人のいち意見ですがこんな感じです。
・現在できること、やれることを一生懸命やり、残された時間を一生懸命生きることが償いに通じると考えられている。
一見すると、宮前さんが絵を描いていることが何か償いにでもなるのか疑問に思うと思います。先ほども書きましたが、被害者・遺族の方たちで、宮前さんに何よりも早く死んで欲しいと思っている人も少なくないのは、本当に当たり前だと思います。
突如自分のことで恐縮ですが、管理人は持病がありよく病気をして伏せます。無職になることもあり、その時に社会のどこからも必要とされていない感じを受けるのは想像以上に辛いことだと知りました。
宮前さんは、社会から隔離され、罪を償う意識を持つ中で、絵を描こうという気持ちを持つことができて、絵を描ける技術を磨くことができました。
独房で無為に過ごすでなく、自分ができること、やれることと一生懸命に向き合うことは、真摯に生きることに繋がり、罪の償いにも通じるものがあると思います。
そういった想いがあって絵を描いているのだろうと、勝手に感じております。
9)オウム真理教事件を通じて現代に通じると思うこと
オウム真理教に入信した人や、特に犯罪に関わった人は、ご自分の親や家族とのコミュニケーション不全を感じる言動が多々みられました。
管理人はバブル崩壊直前に生まれ、母親はメンヘラ、父親は家庭に無関心で、両親ときちんと会話をした記憶は皆無です。20代後半になるまで、私自身もメンヘラになり、精神的に未成熟でほぼ毎日死のうと思っていました。
そんな中でオウムを知り、オウムに入信した人たちの事情を知るうちに自分を自然に重ね、オウムの言うような絶対的な真理というものを理解したら、自分の苦しみは無くなって家族との不和も無くなるだろうと考えてしまうことは、正直分からなくも無いと思いました。
このような場で引用するのはいささか気が引けますが、坂本弁護士の奥様の親である大山さんが「自分たちの世代の子育てに間違いがあったのではないか」「戦後、戦前とは全く異なる民主主義という価値観を与えられ、子供達の世代に、根本的にどう生きるかといったことがちゃんと教えれなかったのではないか」といったことを、裁判や自著で発言されています。そしてそういった反省が現在生かされているのかといったら、どちらかというとそうじゃないこともあるように思います。
私たちの世代は、現在、ブラック企業や過労死、ハラスメントや毒親といった話題の人権侵害に晒されがちです。友人・知人にもそういった被害者がたくさんいます。
オウム真理教をシンプルに考えてみると、毒親で育った人達が、オウムというブラック組織へ入り、修行と称して睡眠や食事が制限されて、体力の限界に挑戦させられて死亡することもある。麻原や上司幹部からのセクハラ、パワハラも最上級で、強姦、犯罪行為の命令などなんでもありです。オウム真理教の仕組み、現代のダメな組織の行き過ぎた版では・・・?と、感じたりします。そしてやはり、そういった組織に自分が入ったり被害を受けないだろうとはどうしても思えないのです。
オウム真理教事件を学ぶことは、現代の問題になっていることを理解する手段の一つにもなるんじゃないかと考えています。
10)管理人の複アカについて
管理人は「山田茜」というハンドルネームでオウムウォッチなどをしたり、インコの会のお手伝いをしております。(https://twitter.com/akaneyamada0322)
しかしこちらの活動では宮前さんの気持ちを常に汲んで発言を行なっているわけではなく、個人的な考えを考えているのみなので分けて考えていただけると幸いです。
ちなみに、このブログなどを立ち上げた時に、京都で宮前さんの絵の個展をしており、同時期に茜の方でひかりの輪批判をしておりましたら、信者にリアルで追いかけられたりして怖かったので、個展などでトラブルになったらイヤだなと思ってこちらのブログでは管理人名などは伏せてきました。
11)宮前一明さんとのこれから
宮前一明さんと友人になってから、オウム真理教のことだけではなく色々と考えさせられて勉強になることが多く、とても感謝しています。
今後も管理人ができることをやっていきたいと思っています。
12)追記 ブログ開設の経緯
宮前さんがご自分のwikipediaを支援者の方を通じて編纂してたのですが、すぐ書き換えられてしまうと悩んでいたため、「言いたいことがあればブログに書けばいいのでは」とおすすめしたのがきっかけです。
拙い文章で大変恐縮ですが、こんな感じのことを考えながらやっています。
よろしくお願いします。
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